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レーザー光凝固治療について

 網膜レーザー治療(正式名:網膜光凝固術)は、網膜のいろいろな病気に対しての治療として行われています。特に糖尿病網膜症の人に対して行う場合はすでに網膜に出血が出ていることがほとんどなので、「網膜の出血している部分にレーザー光線を当てて、出血を止める」という理解をしていらっしゃる方が多いのですが、実際のところはちょっと違います。網膜レーザー治療の役割としては、おおむね下記の5つの目的があります。

  1. 網膜の血管の瘤(コブ)を焼き、そこからの血液成分の漏れを止めることで網膜のむくみをひかせる。
    網膜細動脈瘤、糖尿病黄斑浮腫、加齢黄斑変性などの病気に対しての治療として行われます。
  2. 網膜とその下の脈絡膜の境目の層(網膜色素上皮層)の傷んだ部分を焼いて、新たに健康な網膜色素上皮層の再生を促し、脈絡膜からの血液成分の漏れを防ぐバリアとする。
    中心性漿液性網脈絡膜症に対しての治療として行われます。
  3. 網膜の下にある脈絡膜から、網膜へ向かって伸びてきた普通はない血管(脈絡膜新生血管)を焼いて、出血の予防や血液成分の漏れを止める。
    加齢黄斑変性、近視性脈絡膜新生血管症に対しての治療として行われます。
  4. 血管が詰まって酸素不足に陥っている範囲の網膜を焼き、酸欠の網膜から出てくる酸素不足のサイン(VEGFなど)を抑える。VEGFなどによる網膜のむくみや新生血管の発生を抑え、硝子体出血や血管新生緑内障などのさらに重度の合併症を予防する。
    網膜(静脈分枝・中心静脈)閉塞症、糖尿病網膜症に対しての治療として行われます。このケースではレーザー照射を広範囲に行わなければならないため、治療が2~4回と必要な場合もあります。そのため、レーザー照射の副作用による網膜のむくみを予防するため、治療開始前に抗VEGF抗体やステロイドを目に注射することがあります。
  5. レーザー光凝固治療網膜が裂けて穴の空いているところ(裂孔)や薄くて破れそうなところの周囲の網膜を焼き、カサブタ状にすることで網膜とその下の脈絡膜のくっつきを強化します。それにより、その周囲へ網膜剥離が広がっていくことを防ぐ。
    網膜裂孔、網膜剥離、網膜格子状変性などの病気に対しての治療として行われます。レーザー照射の効果が出てくるまでに4~6週間程度の時間がかかるため、まれに進行の早い網膜剥離の場合はレーザーだけで治療が済まない場合があります。
 上記の治療目的により必要なレーザー照射数が異なり、1~3は数発、4は治療一回に250発程度、5はケースにより大きく差がありますが100発程度は必要です。治療を受ける際の参考にしてください。
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